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弁護士 宗川 雄己

離婚手続きで役立つ別居のステップ

更新日:9月21日



離婚と別居に例えられる曲がりくねった道
別居は離婚プロセスの入り口である

1: 離婚と別居どちらが得?


1-1: 別居のメリットとデメリット

別居は、離婚前のステップの一つです。メリットとしては、物理的に距離を置くことで、冷静に考える時間が確保できることや、感情的な対立を一時的に回避できる点が挙げられます。デメリットとしては、別居中の生活費の分担や家庭内の役割分担で問題が生じることがあります。別居が続くと、コミュニケーション不足からくる誤解や摩擦が生じる可能性もあります。


1-2: 離婚手続き前に確認すべきこと

離婚手続きを進める前に、財産の状況もしっかり確認しましょう。共同名義の財産や負債がある場合、それらをどのように分配するかを考えておくことが必要になります。また、別居に伴う生活費の負担についても、明確に合意しておくことが重要です。子どもがいる場合は、面会交流についても話し合いを始めるべきです。


1-3: 別居期間中の生活費の扱い

別居中の生活費は、協議によって決めます。別居する側がどの程度の生活費を負担するか、また子どもがいる場合の子どもたちの生活費についても話し合いが必要です。法律的には、別居期間中でも婚姻関係にあるため、配偶者に対し一定の生活費(婚姻費用)の支払い義務が生じます。


 

2: 子供がいる場合の別居の注意点

子どもがいる場合、別居によって家庭の安定性が損なわれる可能性があります。子どもの生活環境をできるだけ変えないように配慮し、親としての責任を果たすための具体的な計画を立てることが必要です。また、子どもへの説明も重要です。


 

3: 別居中の法律相談

別居中に弁護士と相談することで、法律的な問題をスムーズに解決する助けになります。特に、後に控える離婚において財産分与や養育費、親権など複雑な問題が関わる場合、専門家のアドバイスが不可欠になります。当事務所にご相談いただいた場合、私がご自身の状況をしっかりと伺い、別居とその後の離婚に向けての具体的な計画を一緒に考えていきます。


 

4: 別居が離婚に与える影響


4-1: 不利または有利な状況とは

別居が離婚に与える影響は様々です。別居が長引くと、相手方からの離婚請求が認められやすくなる傾向がありますが、逆に長期間別居していることで、お互いの状況が明確になり、離婚条件の合意がスムーズになることもあります。


4-2: 財産分与に関する注意点

別居中に財産の分配について争いが生じることがあります。別居開始時点の財産が分与対象となるため、財産の管理や記録をしっかり行っておくことが重要です。また、共同名義の負債についても対処方法を考える必要があります。


4-3: 養育費と親権の問題

別居中の生活費や子供との交流(面会交流)に関する合意を形成することも重要です。生活費の額や支払い方法、面会の取り決めについては、できるだけ早く明確にしておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。


 

5: 成功する別居にむけて


5-1: 家庭内別居のリスクと対策

家庭内別居は、物理的には一緒に住んでいるため、同居家庭との区別がつかず、別居と言えるのかどうか判断が困難になるというリスクがあります。家庭内別居で別居を開始したというためには、どういう生活状況であったかを後から説明できるようにしておく必要があります。


5-2: 長期の別居がもたらす影響

長期の別居は、生活リズムや家族の関係に大きな影響を及ぼすことがあります。別居が長引くと、家庭内の役割分担や生活環境の変化が影響するため、計画的に対応することが求められます。


 

6: 別居中の面会交流

別居中において、子どもとの面会交流を実施することはとても重要です。面会交流の取り決めは子どもにとっての最善の利益を考慮して行われるべきです。面会交流の具体的な時間や頻度、場所について、親同士で合意し、必要であれば文書として取り決めることをお勧めします。


 

7: 離婚しないで別居するという選択


7-1: 別居選択の理由

経済的な理由や相手に対する感情的な理由、または子どものためといった理由から、すぐに離婚するのではなく、しばらく別居を続けることを選択することも考えられます。別居は、感情的な余裕を得るための手段となることがあります。物理的に距離を置くことで、冷静に自分の状況を見つめ直す時間が確保できます。この時間を利用して、自分自身の問題解決に向けた行動を起こすこともできます。


7-2: 相手への影響を考える

離婚しないで別居を継続することが相手に与える影響を考えることも重要です。別居によって相手がどのような状況に置かれるかを理解し、その上で対応策を考えることが、双方にとってより良い結果につながります。


 

別居は、離婚に向けた重要なステップであり、様々なメリットとデメリットがあります。別居前に準備をしっかりと行うこと、別居にあたっては子どもや相手のことも考慮することが重要です。事前にしっかりと計画を立て、専門家の意見を取り入れながら進めることで、別居をより良い未来を築くための一歩とすることができるでしょう。


ここまで、離婚手続きで役立つ別居のステップについて当事務所の弁護士宗川雄己(京都弁護士会所属)が解説しました。


ムネカワ法律事務所では、本記事の内容に関係するご相談、離婚全般に関するご相談をお受けしています。ご依頼いただく場合のプランは3種類をご用意。ご相談の予約は、相談予約申込フォームまたはお電話で。

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