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弁護士 宗川 雄己

養育費を計算する際のポイント

更新日:9月16日



養育費の対象となる子どもたち
親には子の生活費の負担義務がある

1: 養育費の計算方法とは?基礎知識を押さえる


1-1: 養育費算定表の基本と使い方

養育費の算定表は、裁判所が作成した計算基準で、離婚時に決定する養育費の額を簡易的に導き出すために利用されます。基本的には、親の収入、子供の年齢、親の生活水準などをもとに養育費を算出します。算定表は家庭裁判所のウェブサイトで入手できます。


1-2: 養育費の義務

養育費の義務は、子供が経済的に自立するまでのサポートを親が負うべきという考え方の下にあります。合意に基づくか、裁判所の決定に従い、適正な額を設定します。義務は子供の生活の質を保障するためのもので、双方の協力が求められます。


1-3: 計算に必要な情報とその収集方法

養育費の計算には、親の収入状況、生活費、子供の年齢や人数、特別な支出などの情報が必要です。これらの情報は、源泉徴収票、給与明細や課税証明書などを利用して収集します。


 

2: 養育費の算定に影響する要因


2-1: 収入と生活費の関係

養育費の額は、親の収入に大きく依存します。収入が高い場合はその分多くの養育費支払が必要です。これは、子どもには親と同水準の生活をさせるべきという考え方を基本にしているためです。


2-2: 子供の人数や年齢による影響

子供の人数や年齢も養育費の計算に大きな影響を与えます。子供が多いほど養育費も増加します。また、年齢によって教育費や医療費などの支出も変わるため、これを考慮する必要があります。年齢が上がると、教育に関する費用も増えるため、その分も反映させる必要があります。養育費算定表では、子の年齢が15歳未満かそれ以上かで計算方法が異なります。


2-3: 特別な事情がある場合の対応

特別な事情、例えば医療費が高額である場合や、特別な教育支援が必要な場合などは、通常の養育費計算に追加で考慮する必要があります。これらの費用は、基本の養育費に加えて算出されるべきであり、両親間での合意や裁判所の指示に従うことになります。


 

3: 養育費の交渉方法と弁護士の活用


3-1: 交渉でのポイント

養育費の交渉では、冷静に話し合うことが重要です。双方の収入や生活状況をしっかりと把握し、無理な要求や感情的な対立を避けることが大事です。


3-2: 合意に向けたコミュニケーション

合意に向けたコミュニケーションでは、相手の意見も尊重し、妥協点を見つけることが大切です。第三者の助けを借りることで、双方が納得できる形での合意に繋げることも可能となります。


3-3: 弁護士に依頼するメリットとデメリット

弁護士に養育費の交渉を依頼することも可能です。当事務所にご依頼いただいた場合にも、私が専門的知識と経験に基づき、適切な額を算出した上で相手方と交渉を行います。もっとも、どうしても弁護士費用はかかってしまいます。ご自身の状況と予算に応じて、判断されることが重要です。


 

4: 養育費の支払と未払


4-1: 養育費の支払い方法と注意点

養育費の支払い方法は、銀行振込、口座引き落とし、現金手渡しなど、相手方と合意した方法であればどんな方法でも構いません。ただし、銀行振込や口座引き落としが一般的です。支払いの記録が残るため、後々の確認やトラブル防止にも役立ちます。現金での支払いの場合は、受領書をもらうことを考えましょう。


4-2: 未払い時の対応策と法的手段

養育費が未払の場合、まずは相手に対してきっちり請求を行うことが必要です。それでも支払いがない場合、回収するための手続きを進めることになります。養育費の合意が公正証書で行われていたり、調停・審判・裁判等金額が決まっている場合には、給与の差押えや口座の凍結などの法的手段に移ることができます。未払いが続く場合には、弁護士に相談して適切な手続きを進めることをお勧めします。


 

5: 養育費の見直しと改定のタイミング


5-1: 養育費の見直し

一旦決めた養育費も、その後の双方の収入や生活状況の変化により、高すぎたり低すぎたりるようになる場合があります。その場合は、収入状況や生活費を再評価し、金額を見直すことが可能です。養育費を変更するための調停を申し立て、家庭裁判所で話し合うこともできます。


5-2: 年収の変動に応じた改定の必要性

親の年収が変動する場合、養育費の見直しが必要です。年収が増えた場合には、養育費も増額される可能性があり、逆に年収が減少した場合には、減額の検討が必要です。定期的に養育費を検討し、適切な額かどうか見直すことも重要です。


5-3: 養育費変更に必要な手続き

養育費を変更するために、家庭裁判所の調停・審判を利用することができます。ただし、手続には一定の時間がかかるため、変更が必要と感じたら早めに対応することをお勧めします。


 

ここまで、養育費を計算する際のポイントを当事務所の弁護士宗川雄己(京都弁護士会所属)が解説しました。


ムネカワ法律事務所では、本記事の内容に関係するご相談、離婚全般に関するご相談をお受けしています。ご依頼いただく場合のプランは3種類をご用意。ご相談の予約は、相談予約申込フォームまたはお電話で。

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